tsuno流野球論

NPBのデータをもとにした、投手についての考察記事を主に書いていきます。

TJ手術の恒常化が進んでるのはなぜだろうか?

MLBだけでなく、今ではNPBでも一般化したTJ(トミー・ジョン)手術。

投手の肩・肘への負担は避けられないものではありますが、現在の球速アップがより負担を大きくし身体が悲鳴をあげる要因になっているのではないでしょうか。

手元で大きく曲がる変化球や100マイルをゆうに超えるような異次元のスピードボールは、実際は身体のキャパシティーを超えているのではないか?と考えています。

子供が生まれ、幼年期の段階からどのようにして身体を使って遊ぶことで基礎体力・体幹・柔軟性などを養ってきたかというある種先天性も絡んでくる要素に、少年期のスポーツや遊びで養っていくもの。そして、水泳・書道・クラシックバレエ・ピアノ・そろばん・体操などいろいろな習い事やリトルリーグなどで鍛えていくもの。

ここまでの先天的な要素に加えて、指導者の下で野球を始めたりすることで身体や野球観を鍛えていくという後天的な要素。これらが重なって身体が構成されていく。

幼年期、少年期で体を動かす部分が足りなければ当然そこはウィークポイントとなり、体を鍛えるうえで故障の危険性も高まってしまうということ。

今の環境下で、どのくらい小さいときから走ったり遊んだりして身体の動きを養ってきたか、がタフではない身体を構成してしまっている要因の一つでは。

 

あとはスポーツ理論の発達などで100%を引き出すことが容易化したことで継続的に特定の部位への負担が大きくかかるようになったというのも見逃せないと思います。

100%を出し続ければ身体が先に悲鳴をあげると。これらを考えつつ、投手視点で打者を抑えるにはやはり打者を騙す、視覚を混乱させたり同じストレートでも緩急をつけたり握りを替えたりするということは有効でしょう。

遊びの延長でもいいので引き出しを増やすことを大事にして、使えそうな手札を多くしておくことが投球の幅を広げてくれると思います。このビッグボールの中でこそ、そんなスピードもないような投手たちがどのように頭を使い打者を抑えていくかは投手ならではの醍醐味ではないでしょうか。