tsuno流野球論

NPBのデータをもとにした、投手についての考察記事を主に書いていきます。

「セイバーメトリクスの落とし穴」を読んで。感想と私見

先日読了した、お股ニキさん(@omatacom)の「セイバーメトリクスの落とし穴」を読んでみての感想を。今の野球のトレンドやこれからのこと、そして野球とビジネスの関係性といったところまで読んでいて納得のいく部分が非常に多いという印象を受けました。

 

特に個人的に面白いと思った視点は投手のクイックによる弊害。クイックを気にするあまりランナーがいないときと別人のような力のない球がいってしまうorコントロールの制御が利かなくなるということはその通りだと思いましたし、クイックと自身の投球、どちらにどのくらい重きを置くかというのもまた考えるべきところですね。

 

 

ここからは自分の意見。あまり本の感想関係ないかもしれません。

 

野球はボールを持っている投手から始まるものではありますが、実のところ不利なのは投手。もしもになりますが、打者がストライクはすべてHR、ボールはすべて見送ることができる。ということがあったとしたら投手は抑えることが不可能であるということ。

結局のところ投手は持っている球と能力をフル活用し高低左右に奥行きリリースといったいろいろな手段を用いて打者の五感を狂わせることでミスを誘うことでしか抑えることができないということ。その、打者のミスの確率を上げる手段、引き出しがどのくらいあるかによって抑え方にも幅が出ると同時に打者にも迷いが生じるということになるでしょう。

これに走者や点差といったシチュエーションが絡むことでまた読みの要素が増えていくのですが、そこまで深く切り込むとどんどん長くなって収拾がつかなくなってしまうのでこの辺で。

 

捕手についてはほぼすべてその通りだなと思いましたが、ただフレーミングというのは審判のエラーとして個人的には認識しています。

そもそも審判自身が自分のゾーンをはっきりと持っているかどうかのほうが疑問であり、これこそ最優先でAIを入れるべき要素かと。そのAIという審判が持っているゾーンの中に収めるための捕球技術は必要で、もしそれをフレーミングと定義するならばその技術もまた必要でありますしその有無によって評価が左右されていくのも納得がいきます。

捕手は、打てることに加えて、最も大事なことは「いかにして投手に100%の力を出させることができるか」ということでは。そのための後ろにそらさない技術であり盗塁阻止である、と考えます。

 

野球に対しての個々人の考え方、意見を本だけでなくいろいろなものを通して議論する、そういう機会や場所があるのならばぜひ一度やってみたいものですね。