tsuno流野球論

NPBのデータをもとにした、投手についての考察記事を主に書いていきます。

自分的野球論 1.勝つ野球ってなに? 練習の意味とは。

前置きいたしますが、非常に長い文章になります。

 

今回は、人口とともに年々減っていく少年少女の野球人口、その中でいかにして野球は楽しいよ、魅力にあふれているよ!と伝えなければ、10年、20年先の野球があるかどうかすらわからない中、自分が思っていることをつらつらと書いていこうと思います。

いま多く浸透しているのは勝利至上主義といわれる、いわゆる「勝つための野球」というもの。大まかにいえばベンチからサインを出され、与えられた仕事を全うし、できなければ怒られ…といったものが基本的なものだと認識しています。

そのなかで、僕はそれに対していつも「グラウンドで直接勝敗にかかわるプレーをしているのって誰なの?」と思っています。

セオリーとしてはこれ!と思い指導者はサインを出すものではありますが、「調子が良くない、納得がいかない、このケースは違う選択肢のほうが良いのでは?」などと現場の選手が思っている中で出されたサインって、選手はどんな気持ちでいるのでしょう?

勝つための野球であるというにもかかわらず勝つための結果を出すことに対して疑心暗鬼になる選択肢を提示している、と思うと本末転倒なのでは。

こういった考え方をもって野球を見ていると、外からサインを出すという行為の意味を考えてしまいます。今年のセンバツであったサイン盗み疑惑の話でも少し出しましたが、ノーサインの可能性を探るのはありではないかということを考えます。

 

しかし、それをやるに至ってはもちろん相応の条件はあります。

チーム全体で野球観を共有すること、どのようにして点を取るか、塁を進めるか、また逆にどのようにしてホームを守るか、先の塁に行かせないかなどといった考え方の共有を練習のうちから密に進めていかないと迷いが生まれてしまいます。

 

 

前置きがずいぶん長くなってしまいましたが、選手が楽しく野球をやる条件というのは

 

1.グラウンドにおいて、選手自身が考えてプレーを選択すること。

2.やらされる練習(ノルマ的な)ではなく、自らが足りないものを認識したうえで目標を自分自身で設定して取り組むこと。

3.自分が不足しているものやたけているものなどを知るためにも実践的な練習、試合(に限りなく近い状況)を練習のうちから作り、レギュラーと控えの差を高いレベルで縮めていくこと。

 

1.についてはサインを出すにしても選手が納得しなければ意味がないわけで。

指導者やチーム全体の指針を話し合い、浸透させることが第一。

また、得手不得手についてもチーム内で話し合い、この場面でベンチは自分がどういう形を作ってほしいのか、ということを理解して自分の中で一番の手を選択するということ。

2.はやらされる練習ほどつまらないものはないし、練習の中に目的を見出すこと、また練習が結果に結びつく、ということがわかればさらに練習に対してのモチベーションが

上がるという好循環を生むのではないかと考えています。

逆に取り組んでいても結果が出ないとき。これは問題ですが、目標を下方修正したり、やっていることが的外れなのかもしれないと考えアドバイスを求めてみたりして小さくても成果が出ること、成果を出すことが重要だと認識します。その成果が練習へのモチベーションにつながるし失敗したことは次に成功するための一つのサンプルにも使えます。

3.はより実践を増やすことにより2.の効果を見えやすくすることが一つ。

そして、目標でもある試合に勝つことに最も必要なことだと思っています。実際の試合では無限ともいえるケースが存在するわけで、そのケース一つ一つを練習の中で行えれば、いざ試合になった時も(練習で経験があるぶん)自信をもって対応できる確率が上がる。同時に控え選手は仮想相手チームでもあるので、彼らがレギュラーを脅かす、あわよくばレギュラーを奪うためにも様々な作戦を立ててみたりして点を取りに行かせる。

攻守が逆ならそのようにして守っていくと。

こうした実践メニューでなく、アウトカウントがいくつでランナーがどこどこだというただのケースノックなどでは実践を想定するにはいまいち効果が薄いと考えますし、どこに来るかわからない、投げて打って、生きたボールが野手のもとにいき、打球を処理するという一連の流れを常に行うことをしていかないと試合のための練習の意味がない、と思います。

投手への負担を考えるならば球数制限の件も踏まえて、バッピの強化版のようなストライクのとれる選手を何人か作っておく必要があると考えます。いざというときにマウンドにあげられる選手としてカウントできればより戦略にも余裕を生むことができます。

 

長々と書きましたし、指導者経験のないものの意見ではありますが、選手としてプレーをしていて疑問に感じたこと、こうすればもっと良くなったのでは、より試合に勝つために適した練習があるのではないか、と考えながら書き連ねたつもりです。

 

この長い記事を最後まで読んでいただきまして、本当にありがとうございました。

指導論においては、いろいろな意見があると思いますし正解はないと思っています。

そのなかで、ぜひこの記事を読んだ皆様が考えていることなどありましたら、感想でもよいのでコメントいただけると非常にうれしく思いますし参考にさせていただきます。