tsuno流野球論

NPBのデータをもとにした、投手についての考察記事を主に書いていきます。

開幕から一回りして…続き。 パ・リーグでの先発の役割から。

先の記事で書いた、開幕から一回りしてのセ・リーグの先発、そして投手陣の結果に続いて今回はパ・リーグについて書いていきます。

それでは先発投手についた星の数。(後ろの数字はチーム成績)

ソフトバンク:7勝1敗(9勝4敗2分)

楽天:4勝3敗(8勝5敗1分)

日本ハム:5勝4敗(7勝6敗2分)

西武:7勝6敗(7勝7敗)

オリックス:3勝4敗(4勝7敗3分)

ロッテ:1勝8敗(4勝10敗)

 

まずソフトバンク。千賀、大竹と白星がついていない中でも高橋礼、武田がそれぞれ白星を重ねているところ。そして元から盤石だったリリーフ陣には甲斐野が加入しさらに手の付けられない状況に。モイネロ、甲斐野、森、さらに昨日投げた泉、厳しい試合や便利屋での加治屋、嘉弥真、松田遼などもおり他球団もうらやむ布陣ではないでしょうか。

千賀、大竹にもある程度の援護がくるようになればこれからさらに勢いが増し独走態勢に入っていくでしょう。

 

そして、想定外ともいえる大健闘中の楽天

先発陣は予想通り則本に加え岸がかけたことで苦しくなっていますが美馬、辛島の踏ん張りが非常に大きいです。安楽も前回登板が良かったことからしばらくはこの3枚で何とか白星を手繰り寄せていきたいところ。

リリーフ陣では宋、森原、ハーマン、松井裕と昨年固定できなかった後ろの頭数がそろったことが大きいでしょう。

また、ビハインドでも石橋、高梨、青山、福山といったところも大崩れしておらず彼らの働きが間違いなくチームの躍進に大きく貢献しています。

ここから少なからず不調に陥る選手もいるでしょうが、その中でも代わりを担うことができる選手を見つけられるか。そこがポイントだと思います。

なかなか先発がイニングを稼ぐことができない中、まずは岸が本来の調子で戻ってくるまでこのラインをキープすることが重要だと思います。

 

開幕前からオープナー導入を図る動きを見せるなど話題に事欠かなかった日本ハム

オープナーとして加藤が一定の結果を残せそうかな?と思う部分がありましたが、どうもブルペンとのつながりが良くない印象。加藤は適性があると感じるだけにもう少しペアとなるようなリリーフが出てくれば今年も安定した戦いをすることができるでしょう。このチームの場合はオープナーに枠を割く余裕があるという環境も非常に大きく、上沢、有原がここまで抜群の投球内容。加えてバーベイト、ロドリゲスの両外国人もローテの一角を担うことができるのでこうしたオプションがはまればさらに戦い方に幅が広がるのでは?と感じています。

打線がなかなかつながらず湿っているのは深刻な要素ですが、こればかりは我慢するしか。リリーフでも秋吉、宮西、浦野に玉井、堀、公文と実績、若さのバランスもあり相応に充実した布陣。これに鍵谷やハンコックが状態をあげてくればオープナー戦略含めより幅が広がるのでは。

 

案の定投手陣で苦しんでいる西武。

やはり打線が昨年に比べ湿っていることが一つ。呼応するように投手陣も踏ん張り切れない、打線も跳ね返す力がないと。

先発の段階でゲームを壊すのは昨年同様ですが、そういったゲームがもつれることがここまでないというのが苦しんでいる要因でしょう。

そんな中でやはり目立つのはここまで2勝1敗、計20イニングを放っている髙橋光成。昨年通りの投球をしている多和田に続きここまでこうして結果を残しているからこそなんとか5割ラインに踏みとどまれていると思います。

まずは榎田、内海、松本航といったところが戻ってくるまでの辛抱。

リリーフ陣は相変わらずですが、野田、平井、増田といったところはなんとか結果を残しているといえる状態。マーティンも昨日は誤算でしたがこのリリーフの中では及第点でしょう。

とにかく先発が頑張って援護のある状態を作ることが最重要といえる西武。

リリーフは余裕のある状態で放らせて自信をつけさせることが第一でしょう。

 

同じく援護のなさに苦しんでいるオリックス

相変わらずのムエンゴ。山岡、山本由の二人が上々の結果を残しても星がついてこないところに今季も厳しいというチーム状況が現れています。

そこにリリーフ。彼らで結局ここまで1勝3敗3分という結果を生んでいます…。

吉田一、近藤大がなんとか結果を残しても最後の増井が不安定。代役澤田も打たれたりと今年もまたかみ合わない状態が続いています。

昨日のゲームみたいにワンサイドになればよいのですが、競り合いをどれだけものにすることができるのか、勝ち継投をいかにして固定できるかが課題でしょう。同時に、層の薄さも懸念事項ですね。何とか頭数は揃えたいところ。

 

最後はロッテ。

昨日、ようやく涌井が無四球完封勝利と最高の結果を残しましたが、それまではあまりにもふがいない先発投手陣。

石川歩、ボルシンガーと相次いでローテを一回飛ばしこの14試合で先発の勝利は二木が挙げた1勝のみ。打線も低調ですし、昨日みたいなゲーム運びができれば文句はないのですが…。

先発陣ではここ最近結果を残している岩下が数少ない希望でしょうか。とにかく救世主の台頭が望まれます。

対して、リリーフ陣。勝ちパターンで松永、唐川、益田といるだけに決して見劣りするものではありません。また、種市、チェン、田中靖といったところもそれなりの安定感。西野、酒居、東條ももう少し状態が上がってくればバランスの良い布陣となるのでは。

とにかくまずは打線の援護。あとはリリーフ勝負で根負けしないのが重要ですが他球団に比べ多少分があると思っています。

現状下位の3チームはいずれも競り合い、我慢比べでゲームを一つでも多くものにできるかどうかが肝になるでしょう。

その点では後ろが固定できているロッテが少し有利だと思いますが…早々にゲームを壊さないことが重要でしょう。