tsuno流野球論

NPBのデータをもとにした、投手についての考察記事を主に書いていきます。

投手の球速アップと怪我は結びつくか

近年、アマチュア野球などにおいても投手の怪我や慢性的な痛みを持つ選手が多く感じるようになりました。自分が学生だった時にも肩を壊したり腰に故障を抱えていた選手がいましたが…リトル・シニアの段階の年齢でも故障のリスクは年々増加しているように感じます。

要因として個人的に感じることは基礎体力が不足している状態での高度な作業ではないか、と推測します。

例えば投球動作。練習・キャッチボールや遠投を含めた球数制限を設けるのもですが、投球に使う部位を全体的に鍛えているか。早い球を投げることや球数を投げることに耐えうる筋力・柔軟性・バランスを備えているかということも大事なのでは。

投球動作の場合、上半身であれば指先・手首・肘・肩・腰・背中、下半身は膝・内転筋・股関節などといった様々な部位に負担がかかります。言ってしまえばほぼ全身。

それらの力の入れ方、バランスを考えつつ身体への負担を考慮してひとつひとつの動作を行うことが肝心だと思います。

 

プロであっても常に100%を出し続けていればなにかしらの形で悲鳴をあげかねません。球数だとかではなく、どのくらい力を抜くことができるか、怪我や身体への負担を極力軽くしたうえでその一つ一つの動作をこなすことができるかが重要。

 

今の野球は常にベストを出し続けなければいけないような環境であると感じますし、投手であれば「より速く・より強く」を求めている印象があります…が、そんな選手は長持ちしません。適度に100%を出す必要はあるかもしれませんが、いかにして楽に、簡単に自分への負担を軽くしつつ抑え続けることができるのかを求めることが必要なのでは。

 

指導者や選手の周りの方々もまた目先の結果ではなく、結果の中に存在する一つ一つの過程にも目を向けていかないと今の野球における様々な問題は全く解決しないと思います。